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会議のはしご [雑感]

今週はなぜか毎日のように、学内外での研究関係のワークショップや国際会議をはしごしている。

さすがにここまで重なる週は珍しいが、技術管理や戦略的コミュニケーション、日韓など関心のあるものだけだったので、学ぶことが非常に多かった。見逃していた情報も入れば、面白いフレームワークを知ることもできる。

週末には、日韓、日米韓のはしごで、モデレーターと報告者をそれぞれで行った。韓国からの参加者は旧知の専門家も新しく出会った方も良識的な人たちだった。(アメリカ人は元国務省ばかりで、言っていることも「外交的」で、少なからず辟易したところはある。)

しかし、韓国の国際関係専門家は、保守的(米韓同盟を基調に物事を考える)または国際的な意味でのリベラルで、多くは欧米博士号取得者なので、話しやすいものの、今の韓国の青瓦台の雰囲気とはもちろん相容れない。

対中姿勢でも、「ポストTHAAD症候群」と私は名付けているのだが、未だに対中配慮を保守的な人の言辞からも読み取ることができる。もちろん、最近の日本政府も人のことを言えたものではないが。

GSOMIAの停止が1週間というところで、ある参加者が問題を重大視しすぎているのではないか、と発言した。チャタムハウスルールなので、発言者が特定されてはいけないので、どの国とも言えないが。それを慫慂してきたのは誰だったのか。アメリカの同盟ネットワークを構築しようとしてきたのは、それを傷つけるような行動をそぶりでもみせたらぶっ潰してきたのは、どの国のどの役所だったのか。

日韓関係が、または日米韓関係の三者すべてが、朝鮮半島問題で政治的な目標を一致させることなんて期待するべきではない、それでも日米韓関係が重要なのは抑止と対処の効率性をあげることであり、安全保障アーキテクチャを確固たるものとして北朝鮮さらにその先を見据えることだと発言したところ、米韓側が押し黙ってしまった。

国際会議はきれい事を言う場ではないので、それで良いと思ったのだが。

今更青少年交流が大事だ、とか、ワーキングレベルで、とか言っている方がどうかしている。メディア向けの講演会ではないのだから、クローズドの場ではもっと政治政策が今できること、将来に責任を押しつけないことを言うべきだろう。

マイケル・グリーン氏がNippon.Comに日英で投稿した内容は非常に良かった。賛成できないところもあるが、一つの識見だろう。そのなかで、韓国が輸出管理体制を充実させて、それがやがて日韓関係に裨益するという下りがある。その通りだと思う。まあ、これにも、日本も過去に色々と見過ごしたと責任転嫁するような声を聞いたが。(輸出大国の韓国の輸出管理体制がどれほどひどいものか、人がそもそもいないのか、まずはよく勉強して欲しい。)

対中技術管理の重要性は、今後アメリカとその同盟国、パートナーの間で上がっていく。それに対応するためにも、またはアメリカの行き過ぎを制するためにも、韓国にはまず輸出管理体制の強化をお願いしたい。それは日韓関係にも、米韓関係にも、なにより韓国の輸出産業にも大きな利益をもたらすものだろう。

韓国は、インド太平洋にも及び腰。南方を向くのだったらそこでも大局をみるべきだろう。プライドばかりではなく、秩序構築という大局を議論してほしいものだ。政治的価値にも視野が狭い。半島を越える思考をもつべきだとはかなり前から言われているが、未だ道は遠いとの自覚を持って欲しい。

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