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日本国際問題研究所シンポジウム [雑感]

まさに、皆さまを我が家のリビングルームにお迎えするような気持ち(と画角)でシンポジウムに参加しました。

https://youtu.be/_fsU5Yh4aPg


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コロナ禍後の米中関係 [雑感]

今春以降の、主要な書き物を以下に列挙しますので、ご関心の向きはぜひご参照ください。

1. 「米中対立に揺さぶられる欧州とアジア」『公明』2020年12月号
2. 「トランプ政権内部から読み解く米中貿易戦争」『中央公論』2020年10月号
3. 「不信深めるアメリカの対中姿勢」『外交』第62号(2020)
4. 「アメリカと中国(9)新型コロナウイルス感染症後に加速する米中対立の諸相 上・下」『東京財団政策研究所』2020年5-6月。
5. 「アメリカの対中国政策 ―関与・支援から競争・分離へ」宮本雄二・伊集院敦・日本経済研究センター編『技術覇権 米中激突の深層』日本経済新聞出版社、2020年。


この1年間で、日本国際政治学会、日本台湾学会、日本政治学会、日本防衛学会(来月予定)と学会報告も多く行いました。英語査読論文も2本を出版し、もう1本もでる(と思います)。

研究所勤務とはいえ、そろそろ疲れてきました(今学期は授業もそれなりにあり)。が、出版物として活字にしてあるものは研究者として責任を持って書いております。

いい加減なものを時にみるにつれ、専門性の意味とはなんぞや、と思うことも多いのですが、自分にできることは、学界活動も、一般向けの著作物もしっかりと研究したものを提供すること、だと思っています。(また自分の専門性が弱い、さらには異なる領域に関しては、お詫びをしながら取材も原稿もお断りしています。)

新学期 [雑感]

色々な仕事をこなしながら、米中関係が本当に多くの人の関心を集めていると実感する。

産業界の方は、1,2年前までは、米中対立の時代になりつつあり、ビジネスにも多くの影響があるといっても、「そんなことはない」「米産業界の動きをみろ」と諭されたものだった(実際、米産業界はその時点では貿易戦争に乗り気だったので、その意味でも正確ではないが)。それが今では、不安を口にすることが多い。もちろん、短期的に見れば、安定した日本市場が有利になるとか、補助金で焼き太れるとか、そういうことはあるのかもしれないが、長期的に見れば(経済には)いいことなんて一つもない。

とはいえ、米国の政策は重点が変わったり、一瞬の安定がみれるシナリオもあり、今後も一筋縄ではいかないとは思う。その方が分析者の声も聞いてもらえそうだ。

それにしても、米中関係への新規参入組が多い。それはそれで結構だが、専門家として肩書きクレジットを使って発言するのであれば、重厚な研究をまず参照するとか、自分で情報を複数ソースにあたるなどして欲しい。記事だけつまみ食いするのではなく。肩書きを使うことの意味はそれほど大きいと思う。

逆に、私自身の書いたものを読んでくれる方、引用してくださる方も増えており、東京財団の連載まで引用されているのをみると、より一層身を引き締めて、分析を書かなければならないと感じる。

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新しい仕事が舞い込むと、色々と刺激を受ける。

本当なら、その場所にまで行くことで、新しい匂いを感じ、人と出会い、というプロセスが楽しいのだが、今はなかなかそうはいかない。

それでも、専門知識を土台に、新しいトピックを考えさせられる経験は得がたいし、先方のネットワークを使って良い、とか言われると、私たちにとって実験材料のような、新しい情報が得られるということで感謝しかない。

今年はコロナ禍にもかかわらず、春から複数の新規プロジェクトを委託や、勝手な自主研究ではじめた。(それの成果もだしていかなければいけないが)来年もなかなか面白いことができそうだ。

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後期になり、駒場のゼミ、本郷のゼミでは米中関係を扱っているが、来年は少し各論に引きつけたテーマ設定でも良いかもしれない(経済と安全保障のネクサスは古くて新しいテーマだ)。

駒場のゼミは、最初から20頁弱の英語論文2本を読んでもらったら、本当に読んできたので感心した。2回目からは新聞記事など短いものをいれてペースダウンし、議論の質を上げていきたいが、最初のくせ球にもめげないようであれば、なかなか根性があると思う。

本郷のゼミは対面を組み合わせたハイブリッド形式にできたが、駒場がより厳しいので、それができないのが悔しいところ。

法学部の3,4年生、大学院生を交えたゼミは、ミアシャイマーをまず読んでもらったら、なかなか面白い議論を展開していた。フリードバーグ、アリソン、キッシンジャーと続けて、少しロバート・ロスとかトム・クリステンセンとか、または外交問題評議会の文章など入れると、よりバランスも良いかとは思う。

前任校のゼミは、卒論執筆だけなのだが、予想通り半分の学生が去った。例年より多いという印象はないが、就活や家庭の事情が厳しいことを理由にする場合も増えたのは今年特有だ。
残った学生には、最後まで指導を続けたい。本当は横浜に行きたいが、オンラインとなっている。

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完全に駄文をつらつらと書き連ねてしまった。

大統領選が早く終わり、新しい世界になって欲しいと思う。

なお、分析者としては民主党政権には乗り気がしないので、歴史や理論といった学術研究にさらに、遙かに時間を注ごうと、今から思っている。

注:
オバマ政権は、文字面だけよい政策文書と、実体の乖離が甚だしかった。

9月の日々 [雑感]

夏休みは執筆期間のはずだったのですが、肝心のそれは執筆のための資料読み直しに当てられました。。。まだまだ勉強が足りない箇所が多すぎる。それでも机にかじりついて、結構な資料を入手し、読み込めたので、実は執筆が始まると早いのではないかと、勝手に将来の自分に期待しています。

9月は社会貢献的なお仕事も多かった。日英21世紀委員会はオンラインで開催、議事録や提言の調整まで含めて固定メンバーとして毎年係わっています。

また、外務省では科学技術外交推進会議という審議会的なものの委員になりました。ほかは学長・理事長・社長(経験者を含む)ばかりで、21世紀枠です。とはいえ、科学技術がすべてを救う的な世界観が成り立つ時代ではなく、問題の焦点としての科学技術ということも理解して欲しく、科学者たちに混じってみようと思いました。

ほかに、メディア対応(NHK視点論点にでたり、バックグラウンド取材に協力したり)や、少しだけ講演をしました。ICU同窓会(の支部かな)で大先輩たちの前で講演して、そして批判的精神に富むコメントをたくさん、たくさんもらったことは、あー、ICUってこうだよね、という感じで楽しかったです。70を超えた方も、私も、普通に本館のクラスルームで、メモ台付きのあの椅子で議論しているような気分でした。

なお私は出身を聞かれたとき、よく、母校はICU,職業訓練校が東大と言っています。

学会発表もしました。日本政治学会についに加入し、部会で報告をしました。京都出張を楽しみにしていたのだけど、土曜の昼間からオンライン。けど、研究室の先輩でもある石田先生、遠藤先生から、また報告者やフロアーからコメントをもらえて、すごく生産的な時間。

日本台湾学会も、学会報告は5月に共通論題でしましたが、別の報告機会を。10月2日に、北米、欧州の台湾学会、また国際ジャーナルとの共催でのウェビナー(シンポジウム)。日本時間21時開始というのは、その日に限ってとてつもなく忙しい(オンライン研究会3つ、ゲスト講義収録1つ)後に、かなりしんどいものでしたが、やっぱり世界各地から参加者が50名もいると質問が面白く、これもとても良かった。

ほかにも内輪の研究プロジェクトでも報告などをしました。

学会の良さは、本当に良いコメントや質問をどんどんと惜しげもなく提供してくれること。

知とはそうやって、自由闊達な議論のなかから生まれ、それが社会を良くすることにも繋がると思うし、新しい発想を研究に結実させることになる。

私はそう思います。

なお、日本学術会議の任命拒否は、

手続き論として理解に困難があり、新政権の政治的リソースの無駄遣いであり、それが旧政権からの引き継ぎ事項であれば言語道断だし、なによりも、市民的自由の剥奪はヒタヒタと行われる、という怖さを世間に感じさせるという意味でも、

下策です。早く撤回されることを願っています。

蛇足ながら付け加えれば、私は菅外交に期待を寄せており、発足直後に英語、中国語の文章も発表しております。

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