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一つの中国政策について(続き) [記事紹介]

10年ほど前に国防総省(ペンタゴン)の長官府で中国担当をしていたBosco氏のコラムが以下。

Trump and 'One China': Two Phone Calls, Many Interpretations
http://thediplomat.com/2017/02/trump-and-one-china-two-phone-calls-many-interpretations/

アメリカの「一つの中国」政策に関する理解は、前回のブログで紹介したものと全く同じです。

両岸の平和的解決(78.12の米政府声明、台湾関係法の流れ)についてもきちんと触れてありますし、米中両政府が不同意の同意をしていること、中国政府が勝手に一つの中国政策を一つの中国原則を言っていると考えていることなど、きちんと指摘しています。

また前回ブログに書いた際に、78コミュニケの中国「人」の立場を認識した、と言う箇所に「本当かよ」と指摘を頂きましたが、この方も適切に読んでいます。(acknowledges that China (and some Taiwanese) says that....と言い換えていますが、同じことです。この場合のsome Taiwaneseは国民党のこと。)

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この方は少なからずプロフェッショナルです。

しかし、ワシントンDCというのは面白いところで、アジア政策をやっています、中国をみています、という方でも一つの中国政策を全く理解できていない方も多いです。

そのような方々はアラサーからアラフォーのあたりで、政治任用で一気に政権に入ることを狙ったり、シンクタンクで目立つことを意図している様な方なのですが、官僚たちがきちんと積み上げてきた共通理解、組織としての記憶をまったく引き継いでいないことが多いのですよね。

それでもいきなり政治任用というアメリカ独特の制度で偉くなったり、メディアであたかも分かっているかのような顔をして説明したりします。ワシントンはとにかく自分を大きく見せなければいけない街なので、そんなことばかりです。そして中国政府の宣伝工作というか、説明を飲み込んでしまっていることも多々あるのですよね。

日本は基本的にはしっかりと、たとえば日中関係の基本文書について理解をしていると思いますし、官僚のあいだで引き継ぎがされ、維持されていることが良いと思います。

ただ、もし、もしかしてアメリカの一つの中国政策についての理解が何か異なっていれば、憚ることなく正しい理解にして頂ければと思います。日本メディアにも同じことを申し上げたいと思います。

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前回のブログが予想外に多くの方の目に触れ、大変嬉しいのですが、私のブログは基本的に雑文ばかりなのでご期待に添えるかは分かりません。論文のときのような緊張感をもたない書き物として書いていますので。。

いずれにせよ、今はカナダに来ています。昨日は外務貿易省(Global Affairs Canada)で150名満席のシンポジウム、今日はカールトン大学で教員・学生とのセミナーでした。これからカルガリーです。

CNNではフリン(国家安全保障担当大統領補佐官)辞任のことばかりで盛り上がっています。

ただ、マティス国防長官のNATO訪問、ティラーソン国務長官の欧州訪問、(さらに翌週のペンス副大統領の欧州訪問)をしっかり見る必要がありますし、同盟国を重視する政策へはきちんと回帰しているようです。

またフリン後任も、どうやらCENTCOM(中央軍司令)時代の副官になるようで、国土防衛省長官とともにマティス長官の部下が閣内に2名という体制になるかもしれません。政策形成こそ、トランプ政権の肝ですが、マティス長官の影響力強化は、(トランプ氏や側近たちが雇用創出と移民対策に関心をよせているなかで)安全保障政策の「聖域化」を実現することになるかもしれないですね。

楽観に終わるかも知れませんが。

追記 2.17 やはり楽観なんてするものではありません・・・。国家安全保障担当大統領補佐官に声がかかった元海軍中将は、人事を一新したいという希望が全く受け入れられず、職を辞退しました。その背景には、ホワイトハウス上級顧問・首席戦略官のバノンの影響力があります。彼は『フォーサイト』の会田連載にあるように、かなりのイデオロギーの持ち主です。このままトランプは側近政治を続けるのでしょうか。マティスや国防・国務省はじめ、官僚・軍人といったプロフェッショナルはどう巻き返すのでしょうか。

http://foreignpolicy.com/2017/02/16/bannon-wins-as-navy-officer-rejects-national-security-advisor-job/?utm_content=buffere8309&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

米キューバの和解 [記事紹介]

「キューバとの和解とオバマ外交の遺産作り」 『東亜』(霞山会)2015年5月号 

四月十一日、オバマ大統領はキューバのカストロ国家評議会議長と歴史的な握手を交わした。残り一年半となったオバマ外交にとって、依然予断を許さないイラン核開発に関する合意、大詰めを迎えるTPP交渉と比べ、キューバとの国交正常化はより成功の見込みの高い遺産(レガシー)作りとなろう。


今週キューバに対するテロ支援国家指定は解除されました[exclamation×2]

オバマと中国、アジア [記事紹介]

以下の原稿を発表しました。お盆前には刷り上がっていたので、図書館などには入っていると思います。(PDFはきれいなものを作成できたら、リンクを張ります。)

「オバマと中国、アジア」『神奈川大学評論』第75号(2013年)、92-103頁。

これまでJanet(時事通信社)で発表した原稿を踏まえたものです。オバマ政権のアジア戦略、対中政策について、おそらく世間に勝手に生まれている誤解を少しでも解けるように、かいています。

都議会議員選挙 [記事紹介]

都議会議員選挙の結果については、非常に微妙な気持ちになりました。

共産の伸びはなぜか。民主や第3極政党は足の引っ張り合いをしているのではないか。

そんな疑問に答えてくれる分析が、今日(選挙翌日)の午前11時にはアップされていました。

菅原先生の分析はいつも通り的確。読みやすいのでオススメです。

2013年東京都議選の簡単なデータ分析 http://www.huffingtonpost.jp/taku-sugawara/2013_1_b_3488128.html

ハフィントンポスト [記事紹介]

今月7日に立ち上がった、ハフィントンポストへの投稿を行いました。

ゴールデンウィークのワシントン
http://www.huffingtonpost.jp/ryo-sahashi/post_4759_b_3235408.html?utm_hp_ref=japan

ハフィントンポストは、すでにアメリカではニューヨークタイムズより読まれており、月で4600万件のアクセスがある,ネットメディアの代表格です。朝日新聞との提携で、今週から始まりました。コメント欄もありますし、是非色々とサイトをみてみてください。

並んでいるような有名人でも知識人でもないのですが、ハフィントンポストの狙いは団塊Jr世代からゼロ年代だそうで、執筆者もこのあたりが中心になっていくと思います。

逆に、もし、ハフィントンポストをみて、検索してこちらのブログに来られた方は、下記のHPもご参照ください。こちらのブログは、かなり独白めいた、友人や学生に向けた個人的な性格のものです。

http://ryosahashi.jimdo.com/

学者向けではなく、一般向けに書いたものとしては、以下の原稿や、コメンタリーをご覧頂ければと思います。
「民主党外交と政治主導の失敗」『政策・経営研究』(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)、第25号(2013年2月)、115-128頁。

「第2次オバマ政権のアジア政策=アジア再重点化の変質はあるか」

「台頭する中国をどう見るか」


第2次オバマ政権のアジア政策=アジア再重点化の変質はあるか [記事紹介]

「第2次オバマ政権のアジア政策=アジア再重点化の変質はあるか」で、不定期連載になりつつあるコラムを配信しました。

最近の幾つかの米国重要文書の要約にちょっとコメントを加えたくらいの拙文です。

http://www.jcie.or.jp/japan/others/kiji/2013/20130411jiji.html

グローバルトレンズ2030にみる、中長期的な世界の展望 [記事紹介]

以下を公表しました。今回のグローバルトレンズには公式ブログに寄稿を求められたこともあり、少し思い入れがあります。

「グローバル・トレンズ2030」にみる世界政治の中長期的見通し
http://www.jcie.or.jp/japan/others/kiji/2012/jiji_sahashi20121228.html

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以下の資料は大変興味深いです(北澤、岡田の順。使えないインタビューも有り)。書籍で購入したところ、電子版でインタビューを大幅に加筆していること、追加資料を大量にアップしていることが書いてあったので、再購入しました。。。電子版は決済上、経費で落とせないのが痛いところです。

薬師寺克行『証言 民主党政権』(講談社、2012年)。
http://booklive.jp/product/index/title_id/193785

インテリジェンスの失敗? [記事紹介]

それにしても、今回の北朝鮮ミサイル発射は、ある程度意表を突いたものだったのでしょうか。

アメリカ政府高官が日本大使公邸のレセプションにいた際に発射の一方を受けて慌てて引き返したことが報道されていますが、元アメリカ政府高官のブログも反省文を書いています。

http://38north.org/2012/12/editor121212/

http://thecable.foreignpolicy.com/posts/2012/12/13/obama_s_asia_team_caught_off_guard_partying_when_rocket_launched

こんな感じで、ほくそ笑んでみていたかと思うと、なんだか悔しいですね。

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米中関係とアジア秩序の展望 [記事紹介]

21日に出たばかりの、ケネス・リバソール氏(ブルッキングス研究所中国センター長、クリントン政権のNSC上級アジア部長)の論考。

オバマ大統領アジア歴訪の評価、今後のアジア秩序の展望。中国の反応に関する的確な分析、アメリカの対中政策形成過程への秀逸なコメントは言うに及ばず(ホワイトハウスと国務省の温度差)、外交的な「リバランシング」をオバマが表明したとしても国防予算削減傾向のなかで中長期的にそれを保障できるのか(信頼性の問題)指摘し、またアジア諸国の反応についても米中の協調、競合から利益をそれぞれ得ようとしていると述べる。そのうえで、米中関係の協調によって実現すべきアイテム(北朝鮮等)を主張している。現在の、とりわけ国務省の「タフ」路線と自らを意図的に分けている。

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 ひとつだけ思うのは、アメリカの国防予算が削減されても、これまでの特に過去10年程度でストックされてきた軍事力の有用性と技術的優位を考えれば、短中期的な国家間関係の変化の分析にどこまで織り込む必要があるのか、という点。中国の台頭と政治的影響力は所与としても、アメリカの軍事的能力に対する地域の認識はまだ堅く、それが容易に崩れるとはなかなか思えないし、それは過去数年間の各国での聞き取りでも感じるところ。

もちろん日本の観点からいえば、リバソール的な信頼性の観点は関与維持の文脈で良く、彼の米中協調という部分で同盟国への配慮がどこまであるかがヨリ問題なのだが。

The American Pivot to Asia
Why President Obama's turn to the East is easier said than done.
BY KENNETH LIEBERTHAL | DECEMBER 21, 2011
http://www.foreignpolicy.com/articles/2011/12/21/the_american_pivot_to_asia

久しぶりのロジ [記事紹介]

久しぶりに、ロジ(会議準備)。
勤め先と長年パートナーの慶南大学校法学部(正式には法政大学)との共催シンポの準備に、これまで2回韓国に行き(ソウルの北朝鮮研究のメッカ、慶南・極東研究所も)、今学期は相手との折衝、学内の準備を職員さんの助けを借りながら、教員では一人で回す。昔取った何とかで、案外まだできるものだと思う。

会議後は車[車(RV)]にて、箱根保養所に。自分の所属組織の保養施設というのは初の経験。なんか、行き届いたサービスと、自前の設備という安心感か、とてもリラックス。
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ちなみに。会議のさなかに、海外メディアより電話での出演依頼。しかし内容は、原発事故の収束「宣言」について・・・。いや、専門家としてのコメントは全くできないのですが(どんな専門家としてそのメディアに登録されているんだか[ふらふら])、日本人としていいたいことは山のようにあるけど(専門ではなく街頭インタビューみたいなものにしかならないので)断りました。

年内はあと、入校ひとつ、国際学会業務一つで年を越せるかな、、、。

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JCIEより日米関係ペーパーシリーズというものを刊行しました(英語)
数年前に、若手専門家数名で、下田にいったり、NYやDCにいったりしたときのメンバーでのワーキングペーパーシリーズです。

http://www.jcie.or.jp/thinknet/enhancedagenda/usjapanpapers.html

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