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夏の集中講義 その2(メキシコ自治工科大学) [遠征日記]

メキシコに来ています。「吉田茂チェア」という通称がつけられたメキシコ自治工科大学(ITAM)に設けられた客員教授職です。(私の場合は客員准教授,ですが汗)

このポストは北岡伸一先生,河東哲夫大使も務められており,国際交流基金の支援を受けています。

3週間弱,ITAMに滞在。日本とアジア太平洋の国際関係を21時間講義(日本の大学の2単位に相当),またメキシコの将来の外交官を育てているマティアス・ロメオ研修所,メキシコ国立自治大学(UNAM)での講演が仕事です。

【ITAMのキャンパス】
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ITAMは,メキシコを代表する私学の雄。4千人強の在学生は,卒業率4割という過酷な状況の中,必死に勉強をしています。UNAMはマンモス大学なので,こちらの方に聞いてもだいぶ異なったイメージです。

【UNAMの中央図書館】
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スペイン語圏,中南米は初体験。大学の教室中では英語で何の問題もないのですが,一歩外に出ると,スペイン語一色。ここまで容赦なく英語が通じない環境は初めてです。。

現在10日目なので,とりあえず挨拶はスペイン語で,Hola!とか,Gracias!が自然と口から出てきますし,メキシコをメヒコ!と言うようにはなりました。

講義は3時間を7回というハードスケジュール。学生も秋学期が始まっているので,私のいる2週半のあいだだけ,普段の講義に加え,かなり余計に授業に出ることになります。

それでも,35名ほどの学生は時間をやり繰りして出席しています。

まあ,午後4時開始の授業は4時10分にならないと人数がそろわず,休み時間を15分取ると30分しないと帰ってきませんが。。。受講態度はいたってよく,プレゼンや質問も相当にレベルが高いので,こういう時間感覚の違いは文化の違い,と割り切っています。

時間の違いと言えば,食事の時間が全く違います。これは本当に衝撃でした。

朝食=9時とか(もっと遅い場合も。7時とかに食べている人は何かの用事がある場合)
昼食=2時から2時半に開始
夕食=結果,とても遅い

それでいて食事が肉,肉,肉なので,そりゃ,,,太ります。メキシコ人のメタボ比率はかなりのものです(男性)。

子どもの肥満も問題なようで,これはコーラなど清涼飲料水やお菓子の影響のようです。

【けどタコスもステーキも抜群に美味しいので困ってしまう】
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授業では,先週の最初の3回(9時間)をかけて日本外交やアジア太平洋の国際関係について基礎的な内容を概説。基本的にアジアについて知識がかなりないのでじっくりと講義しました。

しかし理解力が半端ではなく,今週から新聞記事をもとにした7分間でのグループプレゼンを授業の冒頭にさせているのですが,とても素晴らしいプレゼンばかりです。要点をきっちりと理解したことが明確に分かります。

今週にはちょっとしたロールプレイを取り入れて,日本やメキシコの外交官になったつもりでディスカッションしてもらう予定なのですが,とても楽しみな感じです。

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メキシコシティにはアートも,人類の遺産もあふれています。シケイロス,リベラなど巨匠の作品が街に点在しています。すごすぎます。

【ポリフォルム シケイロス 撮影禁止の、内部の壁画『人類の行進』の素晴らしいこと】
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【リベラによるメキシコの歴史,国立宮殿の一枚】
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【太陽の石】
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たしかに治安は気をつけなければいけないですし,水や食べ物にあたる確率もかなり高いとは言われています(運良く,まだ当たっていないですが)。

それでも,これほどの文化,高等教育のレベルの高さに触れることが出来て,来てよかったと思う毎日です。スペイン語をもう少し,勉強してから来れば良かったと,それだけは後悔です。

【全く読めない,今晩の講演のポスター】
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