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来年度A1A2演習について [雑感]

来年度前期は「全学自由研究ゼミナール」で駒場に出講し、東アジア国際秩序や最近の情勢に加えて、国際政治の英語での情報の読み方なども一緒に学ぼうと思っています。Foreign AffairsとかNYTとか一緒に読みたい駒場の学生はどうぞ。

後期は法学部と法学政治学研究科の合併で以下を開きます。シラバスは公式にはそのうち大学でアップされます。他研究科からも取れるはずです。英語で読むので、話すのは自信なくても読む方は努力してください。

キッシンジャーだけの演習をしばらくやったあとは、大戦略論争だけの演習をやろうと思っています。
いや、私はスコウクロフト、僕はライスとか、そういう方も歓迎。バノン教みたいな、えっじの効いた人も(選考あるけど)とりあえずだしてみてください。

一応、私これで博士号取っているので、それなりには詳しいはず 本人にも何回も会ってるしね
けど学生が集まるかなぁ、と不安でいっぱいです

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学部・国際政治学演習/法学政治学研究科演習「米中関係と国際秩序」

国際政治学について習熟することが本演習の目的となる。手法としては、外交史、また国際秩序をめぐる理論を用いる。

2020年度の演習は、まず米中接近をはじめ、1970年代に米大統領補佐官、国務長官として活躍した国際政治学者ヘンリー・キッシンジャーの文献を講読する。キッシンジャーの下で働いたものたちは、その後もアメリカ外交の中心的な担い手になる。彼の思想、行動を分析することで、アメリカ外交に綿々と存在する、一つの思潮を辿ることができる。

詳細な授業計画は、講義初日に受講生と相談するが、キッシンジャーの著作をいくつか講読したのち、各自の研究報告によってテーマ毎に深掘りをしていく予定である。テーマとしては受講生の関心にあわせるが、必ずしもキッシンジャー氏だけに限らず米中関係のなかから演習内容に沿うものを(指導教員と相談の上で)自らで選択して良い。米中関係を19世紀以前まで辿るのも興味深く、また米国外交思想の系譜のなかに中国を置いてみるのも良いだろう。

成績評価は、文献購読にかかわる報告(20%)、および演習への参加(10%)に加え、最終レポート(70%;演習内における報告を含む)によって行う。最終レポートは日本語で執筆して構わない(史資料としては英語、中国語も積極的に利用することが望ましい)。ただし、講読文献は英語が中心となる。

事前に、キッシンジャー本人による著作を邦訳でも構わないので、一つ読んでおくこと。たとえば、『外交』、『中国』などが良い(上下巻ある)。ファーガソンやアイザックソンなどによる伝記も翻訳されているので、それらを読んでおくことも事前学習としては良いだろう。

東大の学部生・院生であれば講義前にであっても内容等について相談することは問題ない。
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/faculty/prof/sahashi.html


研究報告とコメントのありがたみ [雑感]

1月には職場での着任研究会があり、外部専門家の討論者、所内と学内外の参加者数十名を前に、これまでの研究と今、これからやりたいことを話す機会がありました。

正直、頭の中身が全くまとまっておらず、討論者に返り討ちに遭うという結果に終わったのですが、そのときに討論者と会場から頂いたコメントの数々は十数個のポイントとして、後日メモに起こしました。(会場にいた友人の助けもあり。)

その翌週と3週間後にアメリカに往復して、テキサスA&M大学、ミシガン大学、コロンビア大学で研究報告に近い内容で学生、教員相手にお話しさせて頂いたのですが、これもまた、ざっくりとした話に多くのコメントをもらいました。

研究歴も18年を越してくると頭の中身が凝り固まっていて、考え方とか切り口、論理構成がワンパターンに陥りがち。コメントのありがたみは、この数年、つとに感じます。
そうか、そういうところが議論に欠けているのか、そういえばその切り口でも考えないと行けない、この先行研究を読み直していなかった、その発想はなかった、などなど、色々なことを持ち帰ります。

有り難いなぁと思うと同時に、コメントをもらうためにもっとよく準備しておけば良かったとも。もちろん、穴だらけだからこそ突っ込んでくれる、というのもあるのですが。
規範的な、または政策評論だと正直コメントは通り一辺倒。

アーギュメント(議論)を明確にしてつっこみを待つことが有効と感じます。図表は、もう聴衆の大好物で、だそうものならあらゆる角度から攻めてきます(とくにアメリカ人)。

この数週間に得たコメントを上手く反映させて、今書いている論文を仕上げられればと思います。

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