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新学期 [雑感]

色々な仕事をこなしながら、米中関係が本当に多くの人の関心を集めていると実感する。

産業界の方は、1,2年前までは、米中対立の時代になりつつあり、ビジネスにも多くの影響があるといっても、「そんなことはない」「米産業界の動きをみろ」と諭されたものだった(実際、米産業界はその時点では貿易戦争に乗り気だったので、その意味でも正確ではないが)。それが今では、不安を口にすることが多い。もちろん、短期的に見れば、安定した日本市場が有利になるとか、補助金で焼き太れるとか、そういうことはあるのかもしれないが、長期的に見れば(経済には)いいことなんて一つもない。

とはいえ、米国の政策は重点が変わったり、一瞬の安定がみれるシナリオもあり、今後も一筋縄ではいかないとは思う。その方が分析者の声も聞いてもらえそうだ。

それにしても、米中関係への新規参入組が多い。それはそれで結構だが、専門家として肩書きクレジットを使って発言するのであれば、重厚な研究をまず参照するとか、自分で情報を複数ソースにあたるなどして欲しい。記事だけつまみ食いするのではなく。肩書きを使うことの意味はそれほど大きいと思う。

逆に、私自身の書いたものを読んでくれる方、引用してくださる方も増えており、東京財団の連載まで引用されているのをみると、より一層身を引き締めて、分析を書かなければならないと感じる。

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新しい仕事が舞い込むと、色々と刺激を受ける。

本当なら、その場所にまで行くことで、新しい匂いを感じ、人と出会い、というプロセスが楽しいのだが、今はなかなかそうはいかない。

それでも、専門知識を土台に、新しいトピックを考えさせられる経験は得がたいし、先方のネットワークを使って良い、とか言われると、私たちにとって実験材料のような、新しい情報が得られるということで感謝しかない。

今年はコロナ禍にもかかわらず、春から複数の新規プロジェクトを委託や、勝手な自主研究ではじめた。(それの成果もだしていかなければいけないが)来年もなかなか面白いことができそうだ。

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後期になり、駒場のゼミ、本郷のゼミでは米中関係を扱っているが、来年は少し各論に引きつけたテーマ設定でも良いかもしれない(経済と安全保障のネクサスは古くて新しいテーマだ)。

駒場のゼミは、最初から20頁弱の英語論文2本を読んでもらったら、本当に読んできたので感心した。2回目からは新聞記事など短いものをいれてペースダウンし、議論の質を上げていきたいが、最初のくせ球にもめげないようであれば、なかなか根性があると思う。

本郷のゼミは対面を組み合わせたハイブリッド形式にできたが、駒場がより厳しいので、それができないのが悔しいところ。

法学部の3,4年生、大学院生を交えたゼミは、ミアシャイマーをまず読んでもらったら、なかなか面白い議論を展開していた。フリードバーグ、アリソン、キッシンジャーと続けて、少しロバート・ロスとかトム・クリステンセンとか、または外交問題評議会の文章など入れると、よりバランスも良いかとは思う。

前任校のゼミは、卒論執筆だけなのだが、予想通り半分の学生が去った。例年より多いという印象はないが、就活や家庭の事情が厳しいことを理由にする場合も増えたのは今年特有だ。
残った学生には、最後まで指導を続けたい。本当は横浜に行きたいが、オンラインとなっている。

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完全に駄文をつらつらと書き連ねてしまった。

大統領選が早く終わり、新しい世界になって欲しいと思う。

なお、分析者としては民主党政権には乗り気がしないので、歴史や理論といった学術研究にさらに、遙かに時間を注ごうと、今から思っている。

注:
オバマ政権は、文字面だけよい政策文書と、実体の乖離が甚だしかった。

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