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怒濤の出張 [遠征日記]

10月末から4件ほど海外出張をしていました。ソウル2回、キャンベラおよびシドニー、台北です。

ソウルでは、三日間で十数名から南北関係、および日韓関係のレクチャーを「受ける」機会を頂きました。現職、元職の青瓦台や政府関係者、代表的研究者から大量のインプット。韓国国際交流財団と慶應義塾大学東アジア研究所現代韓国研究センターの皆さまに感謝です。

キャンベラでは、オーストラリア国立大学のEvelyn Goh教授と行っている国際共同研究のワークショップ。大量の論文を読み、コメントし、出口をみつける作業でした。主査だと気が抜けず、糖分が切れると夕方(ワークショップ後の行事など)には使い物にならなくなっていました。。ワークショップ以外にも、国防省での講演、大学に現職の審議官たちや元職の超大物を集めての会議などサイドイベントも充実しました。帰り際にシドニーにより、最新鋭のHMAS Brisben(ミサイル駆逐艦)を見学しました。

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2度目のソウルと台北ではそれぞれ、フルペーパーをプレゼン。いつかはこの論文もJournalに載せたいものです。さらにもう一本、進行中の共著論文でのプレゼンを東京にて。

ほかにも、学会での指定討論(シャープパワー@日本国際政治学会)講演(中間選挙後の米中関係:なお中間選挙ファクターはあまりない)が2本、自分で主催している研究会や研究委員のものが10本くらい、ソウル大学の先生を呼んでの北朝鮮経済セミナー主催など、正直卒倒しそうな量の予定がある11月でした。

コメントを多くいただき、研究が大いに飛躍した、とも思います。ついに入手したソニーのデジタルペーパーも活躍しています。

12月は、遅れに遅れている原稿を淡々と書く日々になりそうです。

弾丸遠征ツアー [遠征日記]

3泊でインディアナポリス、インディアナ大学ブルーミントン(講演)、ブラウン大学(ロードアイランド州プロヴィデンス)、ケンブリッジ(ハーバード周辺)を回りました。

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[インディアナポリス中心部]

初めて回る街が多く、到着日は日曜でもあったのでインディ500のサーキットを回ってみたり(佐藤琢磨を顕彰するようなポスターがたくさん)、ブラウン大学では中国の高校を卒業して直接進学した、きわめて優秀で快活な新世代の中国人留学生にキャンパスツアーをしてもらったり、アポのドタキャンや飛行機のキャンセルにもめげず、それなりに楽しめました。

インディアナ大学での講演では、突然の開催にもかかわらず40名近くの教員と学生が参加してくれて、時間も大幅延長でとても楽しかったです。イリノイ大出身というのが異様に親近感をもたれるようでもありました(あそこで勉強したと言うと、みんなものすごくニッコリします)。質疑は大変盛り上がり、日米同盟と日中関係を調整するという難題にどう取り組めるのか、憲法改正は日本外交に、また国際関係にどう影響してくるのか、北朝鮮問題の解はあるのかなど、もっとも重要な課題に学生たちは良い形での質問を作ってくれました。

ブラウン大学での訪問では、学長補佐との面談やワトソン国際関係・公共政策研究所での所長、コルガン准教授(リチャード・ホルブルックチェア)との研究の意見交換など。それぞれ小一時間でしたが、とても充実した内容でした。最後にケンブリッジに立ち寄り、美しいチャールズ川のほとりを散歩できたことで、短い滞在の疲れもとれた気がします。(2,3週おきのロングフライト、さらに乗り換えの連続は疲れますが・・)

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[インディ500の舞台となる、巨大なIndianapolis Motor Speedwayを飛行機の窓から]

沖縄ワークショップ [遠征日記]

主査(リーダー)をしているプロジェクトの関係で、沖縄で会議を開きました。

アメリカの同盟国・パートナー国から研究者を集めて、対米関係の基礎構造や各国の大戦略におけるアメリカの役割を振り返った上で、それを秩序形成にどのように活かそうとしているのか、オバマ、トランプ政権での不安定な関与にどのように対応しているのかなどをフルペーパーにまとめてもらっています。

小難しく聞こえるかも知れませんが、世界がアメリカをどうみているのか、ということです。同盟国や重要なパートナーに絞っているのは、戦後秩序においてアメリカ、ソ連・中国だけでなく、日独英のような同盟国がアメリカの指導力を支えた意味が極めて大きいからです。

今回のプロジェクト、不肖私が主査なのですが、集まってもらっている参加者はイギリス、ドイツ、ポーランド、トルコ、タイ、インドネシア、オーストラリア、インド、韓国、日本から。教育や何かしらのトレーニングを米英で受けていますが(そうでなければ英語でのペーパーはなかなか書けません)、多様な視点をもちよってくれた30代を中心とした錚々たるラインナップです。

私だけだと不安でしたので、国際政治の40代を代表する研究者の1人、Evelyn Goh教授をシニアアドバイザーに迎えました。昨年のパイロット・ワークショップからお願いをしていますが、彼女とは十数年の関係で、大きな学恩があります(年齢的には5,6上です)。

4日間にわたったワークショップでは、ペーパー報告を終えた後に、数時間の総括セッションを行い、これがよかった。参加者からも絶賛されるほど、すべての報告を踏まえて、我々の議論から分析的、理論的なフレームワークを作っていく貴重な機会になりました。やはり、Skypeなどの会議ではこうはいきませんから、一カ所に集い、まとまった時間を共有して、相手の思考の呼吸を聞きながら自分の次の発言を考える緊張感のなかで会議をすることは必要です。

笹川平和財団からご支援を頂いています(公式Websiteも近日公開です。)
北谷の素晴らしい景色をみながら討論させて頂けたことに感謝して、残りの2年間の研究期間でしっかりとした成果を上げたいものです。

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はじめてのモスクワ [遠征日記]

初モスクワから帰ってきました。

皆さんおっしゃる通り、第三国の国際会議で会ったりするのではなく、相手の居住国(ロシア)で丁寧に話をしていくと、ロシアは本当に多様なこともよく分かりましたし、プーチン外交もほんのりわかった気がしました。十数人のロシア有識者に感謝です。

ウクライナや中露関係に加え、いきなり存在感を発揮している北朝鮮絡みの話もたっぷり。

合間に電話でお答えした、米艦への自衛艦給油事案についてのコメントが金曜の日経朝刊にでています。丁寧にまとめていただきました。実務家の方には情報を後で出すと言ってもどうやって、とお叱りを受けそうですが、私はこれは政治の責任という文脈ですので、ご理解ください。意義など本文にまとめています。

日曜は半年ぶりにNHK日曜討論に出演したのですが、台風報道のため月曜未明の放送のみに。

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夏の中盤戦 [遠征日記]

北京、シンガポール、バンコクを6泊で回りました。

北京では中国・シンガポール対話になぜか発表や討論者で参加し、シンガポール、バンコクでは友人の研究者や紹介された方々から丁寧に聞き取りを行いました。

北京はRSISとPanGoalの共催ですが、後者はキッシンジャー氏が訪問するなど力をつけている新興の組織です。南シナ海仲裁裁判で国際ルール重視尊重を訴えたシンガポールに中国が環球時報に留まらず嫌がらせをはじめ、その流れで最近でも国立シンガポール大の教授(中国政府の犬となっていた)が逮捕されるなど、今節目(悪い意味で)にあるので、なかなか面白い議論を間近で聞けました。リ現首相は家族トラブルで追い込まれており、このままいくと、リ・ファミリー支配後のシンガポールがどこに向かうのか、真剣に考えるべき時に来ています。

いずれにせよ、RSISというASEANを代表するシンクタンク(兼研究大学院)の中国との学術交流に招いてもらうという幸運に恵まれました。

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ここからは、準備していた自らのインタビュー旅行です。

シンガポールでは東南アジア研究所はじめ研究者から聞き取り。ヴェトナム、マレーシア、フィリピン、インドなどの分析も第一級のものが聞けて、大変効率的でした。東南アジア研究所(ISEAS)は政府系ですが、各国から選りすぐりの研究者が集結しているため、必ず訪問するところです。また、現在進めている研究の打ち合わせをオーストラリア国立大学のEvelyn Goh教授と。

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バンコクは数年ぶりとなりました。タマサート、チュラロンゴンの両大学の先生につぎつぎに会い、その関係で首相府も訪問してきました。

中国への視線が厳しくなっているのが印象的でした(インフラ建設でもめていることもあり、一帯一路会議に首相は呼ばれなかった。)総じて、ASEANでは日本への期待をほんの少しだけ強く感じました。

北京の会議だけでも15名強、東南アジアでも15名くらいの意見が聞けて、トランプ時代を考える、とても良い機会になりました。トランプへの好意的な見方をヴェトナム、タイでそれぞれ1件聞けたのも面白かったです(逆に言えばそれくらいだけで、総じて厳しい。)

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広島、ソウル、台北(前半戦) [遠征日記]

夏の前半戦。

客員准教授として広島大学で英語でアジア太平洋の国際関係の集中講義。九月にも戻ってきます。受講生には講義に加えてリサーチ実習も今させているのですが、なかなか良い材料を発見してくるので感心。

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先々週はソウルの日中韓協力事務局での研究プロジェクト準備会合に、先週は台湾で開かれたアジア太平洋安保対話で報告してきました。色々と現地の事務局にご縁を頂いて、呼んで頂けていて、嬉しいです。

日中韓協力事務局では、非伝統的安全保障をテーマに何ができるかを理論とケースの両面から。ブレーンストーミングとしては成功した気がします。

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台北のフォーラムは蔡英文政権にはいって、一つの目玉会議であったようです。チェイニー元副大統領もランチスピーカーでした。ルールが厳しくて、内容どころか写真も御法度とのこと。

私は蔡英文さん直後の第一パネル(東アジア安保全体)の第一報告者という、どんだけハードル高いんだ、という。討論者は元国務次官補(代理)で北専門家としても名高いEvans Revereさん, アサン研究所副理事長のChoi Kangさんなど。。。なんとか乗り切ったはずです。

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アメリカ、インドの順で登壇者が多く、日本は香田提督と私だけでした。Peter Drysdale先生と久しぶりにお会いできました。壇上にもフロアにも欧州の人が多い(とくに大陸)のが印象的です。

翌日には総統と小一時間、登壇者10名くらいでがっちり話す機会もあり、総統は英語が非常に上手い(GATT/WTO交渉をしていた)ので、無駄なく色々と聞けました。書けませんが。

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ソウルも台北も4ヶ月以内での再訪ですが、充実した出張を繰り返して、色々とものを考える機会に恵まれました。(ローカルフードを食べる機会はなぜか少なく、洋食が多いのですが...)

カナダ講演旅行 [遠征日記]

1週間のカナダ滞在から戻りました。

カナダではGlobal Affairs Canada(外務省の通称!)、国防省の旧知の人も多数参加してくれて150名越えの大イベント@外務省ビル。カールトン大、カルガリー大国防研、UBCでもとてもよい議論ができました。

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アジア秩序論からふり出して、トランプや北朝鮮(カナダは国交あり)の話でも盛り上がる感じでした。

2月のカナダって何の罰ゲーム!?と思ってました(=当初予定は10月だったのです)が、オタワはちょっと寒かったものの、カルガリーは東京並み。春を連れてきたような感じで暖かく迎えてもらえました。

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1年前に在カナダの担当者に直接メールをもらい、練りに練られたプラン、心のこもったもてなしで、本当に日カナダの関係者一同に大感謝です。在京カナダ大の皆さんにも過去4,5年良く教えてもらっていて、今後も日カナダ協力について考えを深めて行ければと思います。

メキシコ、キューバと続いてきたアメリカ周辺をめぐる旅も1年半かけて、とりあえず完結です。

来年度はキューバとのイベント、スタンフォードでの集中講義などを予定しています。東海岸を嫌っているわけではありません、念のため(時々行っています)。

来週は札幌に行きます。飛行機が飛べば。

久しぶりのブリュッセル出張 [遠征日記]

古巣ジャーマン・マーシャル・ファンドの日米欧会議でブリュッセル郊外の古城へ出張してきました。

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いつものアメリカ、豪州やASEAN関係者と違って、アジアの話の前提が共有されてないことに十分配慮してなかったと自分へ深く反省。北朝鮮パネルでしたが、たとえば5月にクアラルンプールで北朝鮮や中国関係者と話したのとあまりに勝手が違いました。ただ核ミサイル開発の進展とともに、北朝鮮がトップアシェンダに返り咲きかねない、との問題意識だけでも伝えられればと。

ベルリン自由大のMay Stumbaum博士やDan Twiningさん始めファンドのメンバーなど極めて親しい方々や、米ミャンマー大使から帰国したばかりのDerek Mitchellさん、同じパネルで、両方のブッシュ政権にいたLorne Cranerさん、そして笑顔と同時にいつも厳しく指導してくださる石井大使、皆さんと結構たっぷりお話しできて、大満足の旅でした。

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全米周遊 [遠征日記]

11泊をかけて全米8都市を回ってきました。米社会科学評議会(SSRC)のお仕事です。

1.ダーラム:Duke、ノースカロライナ大(チャペルヒル)
2.グリーンズボロ:ノースカロライナ大
3.ワシントンDC:Pew Research, New America, CRS, Wilson, WRI
4.フィラデルフィア:Pew Trust
5. デトロイト:都市視察
6.アナ—バー:ミシガン大
7.パロアルト:スタンフォード
8.サンフランシスコ:SPUR

今回は都市とコミュニティ再開発、人口問題の専門家2名を各地に紹介することが目的の旅で、僕の役割は基本的にステージマネージャー。色々あってノースカロライナでは2回ほど講演もしました。

そんな事情で面会先も都市問題・家族政策関係が多いため、学びの多い旅で、毎日が新たな発見の連続でした。Pewのリサーチ部門も本体の基金にも行けましたし(ゴージャスなオフィスです)、女性問題で高名な本を書いているジャーナリストにも会えました。

ノースカロライナ大学では上智での教え子が偶々交換留学で滞在しており、再会を喜びました。写真忘れてしまいました。グリーンズボロ校にも訪れ、こちらも素晴らしい学校で、日本クラブの学生たち(日本人ではない)に大歓迎されました。

移動ばかりで、7本・計34時間のフライトとなり、退院明けで辛いところもありましたが、同行者がいると色々と精神的にも助けられます。帰国した日から大学に出勤、後期開始です。プレゼミ3名という衝撃の人数だった佐橋ゼミ(←シラバスで脅しすぎた)は、無事に16名となりました。( ・∀・)

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Duke大学(南部でもっとも傑出した大学)
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ノースカロライナ大学グリーンズボロ校 日本を学ぶ学生が多く、暖かいおもてなしをうけました
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古巣・スタンフォード大学
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デトロイト GM本社 とりあえずデカい
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サンフランシスコで都市問題を扱うシンクタンクSPUR 自社ビルがあまりにかっこいい
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上海 [遠征日記]

8月1日から4泊5日かけて上海に行ってきました。同済大学の門洪華院長以下、政治・国際関係学部に何から何まですっかりとお世話になりました。

同済・復旦・上海外大・上海国問研での研究者・学生との交流、澎湃新聞国際部への訪問では、膝を突き合わせて1時間半以上、さらに多くの場合その後に食事もあるとなれば、かなりのことが話せます。国際会議とは違った雰囲気で、こういう風に交流することの重要性を再認識。(帰国直後から尖閣周辺で悪いこともいいことも起きていますが、この時期は南シナ海に関する仲裁裁判やG-20杭州、米大統領選がより大きな関心だったと思います。)

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【旧フランス租界で懇談した記者の皆さんと】

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【同済大の学生さんたち】

「社会科見学」として、自由貿易試験区、共産党第一次全国代表大会会場(博物館)、周荘(代表的な蘇州の水郷)も訪問。

話の内容は米中関係への悲観論も多かったのですが、そういうトレンドを越えた、ものの考え方を多く吸収しました。

食事は10食以上続けて、すべて中華。美味しくて食べ過ぎたのか、帰国日の朝に体調を壊し、ご一緒した慶応の中山先生や同済の鐘振明先生にご心配をかけてしまいました。おかげで1kg結果的に痩せるダイエットの旅にもなりました。

この出張に尽力してくださった関係者の皆さんに深く感謝します。

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【ホストの門院長、鐘准教授と】
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