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業績棚卸し(3)現代日本外交論 [雑感]

これも過去十数年、続けてきた研究分野です。

主要業績
1.「対外政策:アジア外交の安全保障化」竹中治堅編『二つの政権交代:政策は変わったのか』勁草書房,2017年。
2.「民主党外交と政治主導の失敗」『政策・経営研究』(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)、第25号(2013年2月)、115-128頁。
3.「鳩山由紀夫政権におけるアジア外交 ―「東アジア共同体」構想の変容を手掛かりに」『問題と研究』(国立政治大学国際関係研究中心)2011年4・5・6月号、1-40頁。
4.「安全保障政策の変容と行動空間の拡大」御厨貴編『変貌する日本政治 ―混迷の時代を読み解く』勁草書房、2009年。

>> 1.4を読んでもらうと90年代から第二次安倍政権まで、一応通史的な形になっています(外交安保でもカバーしていない箇所が多々あるのですが)。国内政治に引っ張られた通史とは一線を画してはいる、と思います。民主党外交に少し関心があったので2,3を書いています(1にも多少吸収)。2は民主党外交を多角的に評価しています。3は東アジア共同体構想だけに焦点をあてています。2,3とも政官関係のなかで官僚がそれなりに当時は頑張って修正していたことがわかります。他方、1でも書いていませんが、安倍政権の長期化にともない、政官関係は民主党時代よりも変化しており、それは政策への影響も多々あります。数年後にも、このあたりを改めてまとめなおし、日本外交論を書きたいものです。

外国語業績
1. R. Sahashi and T. Satake* “Rise of China and Japan’s ‘vision’ for free and open Indo-Pacific,” Journal of Contemporary China, in print (2020).
2. “American Power in Japanese Security Strategy,” in Andrew O’Neil and Michael Heazle (eds.), China's Rise and Australia–Japan–US Relations Primacy and Leadership in East Asia, London: Edward Elger, 2018, pp.143-166. https://doi.org/10.4337/9781788110938.00016
3. “Japan-Taiwan Relations since 2008: An Evolving, Practical, Non-Strategic Partnership,” Jean-Pierre Cabestan and Jacques deLisle (eds.), Political Changes in Taiwan under Ma Ying-jeou: Partisan conflict, policy choices, external constraints and security challenges, London and New York: Routledge, 2014, pp.232-246.
4. “Security Partnerships in Japanese Asia Strategy: Creating Order, Building Capacity, and Sharing Burden,” Asie. Visions 61 (Paris: Institut français des relations internationales), February 2013, pp. 1-23.
5. 「亚太秩序的变化与日本的战略」『中国国際戦略評論』(世界知識社、北京大学国際戦略研究センター)、2012年号、33-44頁。(中国語)

>>日本外交の、とくにパートナーシップ外交について関心を持って何本か書きはじめ(4, 5)、日台関係(3)、日米同盟(2)についても書きました。ただ、今英語の世界の日本外交論で一番必要なのは日中関係だと思ってます。2020年度にはこれで単著論文を一本予定しています(1も近いが、それとは別に)。
 ほかに、 R. Sahashi and J. Gannon (eds.), Looking for Leadership: The Dilemma of Political Leadership in Japan, Tokyo and New York: Japan Center for International Exchange, 2015.という本をまとめており、コロンビア大学大学院はじめ、教科書としても使われています。

論評
1.「平和主義と安全保障の交錯」『自由と正義』(日本弁護士連合会)、65巻9号(2014年), 16-21頁。
2.「台頭する中国をどう見るか」『神奈川大学評論』第71号(2012年)、137−145頁。
3.「外を向いてこその外交だ アメリカの優越、中国の台頭と日本」『論座』(朝日新聞社)2006年4月号、187-193頁。

>>未だに、この三本は我ながらよく書けた、と思っています。そしてあまりブレていない自分を確認できます(専門家としては本当はそれが普通なのですが)。(4)にある『神奈川大学評論』(2019)と併せ、より広い読者に読んでもらえる形でいつか直せればと。


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