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業績棚卸し (2) 東アジア秩序論 [雑感]

博士論文を出した後、指導教官には博論後最初の研究が大切だ、と言われました。
それで取り組んだのが東アジア秩序、アーキテクチャをめぐる議論です。多国間協力だけではなく、同盟、パートナーシップにも関心があったので、辞典項目や国際プロジェクトへのお誘いも多々いただきました。

主要業績
1.『冷戦後の東アジア秩序 秩序形成をめぐる各国の構想』勁草書房、2020年。

>>>研究チーム10名の成果に乗っかっただけですが、東アジア秩序について、冷戦期、冷戦後、そしてこれからに分析を与える議論を自分も載せることができました。書籍全体としてみると、まとまりのある議論になったと信じています。。。

書き散らかしたもの
1.「東アジアの安全保障秩序構想」木宮正史編『講座日本の安全保障VI 朝鮮半島・東アジア』岩波書店、2015年。
2.「書評:Evelyn Goh, The Struggle for Order: Hegemony, Hierarchy, and Transition in Post-Cold War East Asia」『アジア研究』60巻1号(2014年)、76-80頁。
3.「アジア太平洋地域における安全保障アーキテクチャと三層分析法」神保謙・東京財団アジア安全保障プロジェクト編『アジア太平洋の安全保障アーキテクチャ ―地域安全保障の三層構造―』日本評論社、2011年。
4.“The rise of China and the transformation of Asia-Pacific security architecture,” William T. Tow and Brendan Taylor (eds.), Contending Cooperation: Bilateralism, Multilateralism, and Asia-Pacific Security, London and New York: Routledge, 2013, pp.135-156.
5.“Security Arrangements in the Asia-Pacific: a Three-Tier Approach,” William T. Tow and Rikki Kerstain (eds.), Bilateral Perspectives on Regional Security: Australia, Japan and the Asia-Pacific Region, New York: Palgrave MacMillan, 2012, pp.214-240.
6.“Conceptualizing Three-Tier Approach to Analyze Security Arrangements in Asia-Pacific,” Security and Defense Studies Center Working Paper, Australian National University, December 2009.

>> 本当に書き散らかしていますね、、、。ただ、1の岩波安全保障シリーズに誘ってもらい、東アジア秩序を広く考える機会をいただいたことは自分にとってとても重要な転機になったと感じています。3のアーキテクチャ論は、3年間、尊敬する先輩たちに鍛えてもらう場になりました。4,5,6はANUでポスドクを行った時代、ボスのBill Towと色々と考えた残滓。East Asia Forumというブログに十数本、英文コラムを書き続けたのも良い経験になりました。2は本当に良い本なので、読んでほしくて紹介しました。

>>> ほかに、北朝鮮、朝鮮半島情勢には秩序論の観点から関心を持っています。思ったよりも事態が動かないので、アメリカの北朝鮮政策分析くらいしかできることはないのですが、今後、朝鮮半島をめぐる国際政治がどこに向かい、半島の平和体制がどうなるのか、それが秩序に与える影響は何か、というのが最大の関心です。文章は以下が自分の関心を示しています。「米朝首脳会談後の北東アジア:融和ムードと非核化の行方」『東亜』2018年9月号、20-32頁。

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