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業績棚卸し (1)米中関係、アメリカと中国、台湾 [雑感]

過去18年の研究歴で中核を占めるのはこの分野です。学会報告、研究報告は多数あるので省略。

主要業績
『共存の模索 アメリカと「二つの中国」の冷戦史』勁草書房,2015年,340頁。
>>>大幅に修正して収録した内容は査読誌、研究機関紀要に4本に分けて出版しました。)

翻訳
1. アーロン・フリードバーグ(佐橋亮・玉置敦彦監訳)『権威主義国家による挑戦』笹川平和財団、2018年。公開中
2. アーロン・フリードバーグ(佐橋亮監訳)『支配への競争:米中対立の構図とアジアの将来』日本評論社、2013年6月。(古賀慶、山口信治、石原雄介、井形彬と共訳)

>>> フリードバーグを書籍、長文報告書の二つ、翻訳しました。中国観も、望ましいと考える戦略オプションも別に同じではないのですが、日本ではアメリカの戦略論議への理解が足りないと感じ、こういう議論を紹介しなければと思い、膨大な時間を使いました。
 博士論文でキッシンジャー、ブレジンスキーなど対中関与の議論に慣れた自分へのリハビリにもなりました。なお戦略論議では、親交あるクリス・レインの議論を日本で紹介するのにも一役買いました(『外交』23号、レインへの解題)。

時評
『Janet』(2012-13)、『東亜』(2014-15)『アメリカと中国』(東京財団、2018-)
>>>アメリカ分析ということで、米中を超えるものもありますが、3,4ヶ月に一本はまとめることで、情報の整理分析を行っています。

最近の業績
1.「米中対立と日本:関与から戦略的競争に移行するアメリカを中心に」『国際問題』688号、2020年1・2月合併号(「2020年の国際社会と日本外交への諸課題」)。
2.「アメリカの対中国政策 ―関与・支援から競争・分離へ」宮本雄二・伊集院敦・日本経済研究センター編『技術覇権 米中激突の深層』日本経済新聞出版社、2020年。
3.「米中関係と危機:政治的意思による安定とその脆弱性」東大社研・保城広至編『国境を越える危機・外交と制度による対応―アジア太平洋と中東』東京大学出版会、2020年夏刊行予定。
4.「解説」H・R・マクマスター、マイケル・ピルズベリー、キショール・マブバニ、王輝耀(舩山むつみ訳)『China and the West: 中国はリベラルな国際秩序に対する脅威か?』楽工社、2020年

>>>1,2, 4トランプ政権の対中政策強硬化についての初歩的分析です。内容は重複するところがあるのですが、1がアカデミック、2は一般向け、かつ科学交流について簡単な説明、4は最も広い読者を想定した書籍への解説(2万4千字・・・)。
 3は今後につなげる研究で、三次にわたる台湾海峡危機の先行研究を整理し、またトランプ政権の対台湾政策についても簡単な分析を与えています。

今年の予定
1.「米国の台湾政策と総統選挙」日本台湾学会全国大会共通論題
2.「米中関係における信頼と不信の作用」別の学会報告
>>>オンラインでの学会開催になるとは思いますが。

今後、1980年代以降の米中関係がなぜ真の和解には失敗したのか、それでも関係を維持できたのか、という点、米中関係が東アジア秩序、国際秩序に与えてきた、そして与えていくインパクトという点をこの分野ではざっくりと考えています。
各論では、アメリカの対中技術規制、とりわけ人の流れの規制について関心を持ち始めています。

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